企業向け安全運転講習で、ヒヤリハット経験を減らしませんか?
業務中、社用車運転中にヒヤリハット経験をしたことはありませんか? なんと約9割のドライバーがヒヤリハット経験を持っていると、あるアンケート調査で分かっています。そしてそれは重大事故の危険性をはらんでおり、企業にとっては死活問題になりえます。この記事では、ヒヤリハットの原因と対策を探っていきたいと思います。
目次
企業の社用車運用安全管理の心構え(郵便局の場合)
ヒヤリハット経験の多発を放っておくと、そのうち重大事故に至る可能性が高くなります。そしてもし、御社の社用車で交通事故が起きたら、企業のイメージダウンにもつながります。また、損害賠償などのコストは企業の存続にも影響を及ぼす場合があります。
そんなことにならないよう、企業の社用車運行管理ではどんな心構えでいたらよいのでしょうか?
郵便局の郵便配達用のバイクの例をみてみます。
現在、郵便配達用のバイクは、約8万5千台が全国を走っていると言われています。車両モデルは、長寿命で有名なホンダ・スーパーカブの郵政版です。
これほど多くの台数の安全管理をどのように行っているのでしょうか。
その秘訣は、配達前の始業前点検、日常点検にあります。
郵便局は、その昔、普通はがき1枚が届くのに5日間かかるといった状態にまでガバナンスが落ちてしまった時期があります。その後の郵政民営化につながった切っ掛けとも言えます。
民営化に向けての郵便事業の立て直しに、トヨタ自動車の指導を受けて「カイゼン」活動を行っていきました。
配達途中の事故は、職員にとっても社会にとっても困った問題に違いありません。そこで、職員たちは、自ら「始業前点検」を配達員全員で行うことを申し出て、整備不良と荷物の積み方などの点検を行うようになります。
配達員みんなが協同で声を出しての点検では、見逃しが少なくなりました。出発前にスラロームや一本線をトレースするなどして、荷物の偏りやずれなどをチェックして、思わぬハンドル操作の間違いを起こさぬように工夫していきました。
こうした始業前点検を行うことは、「心構え」を新たにする効果も絶大で、事故を少なくしていったり、「自らカイゼンする喜び」を職員に持たせたりする副産物があったのです。
しかし、現在はその時の効果と比較し「20%以下に落ちてしまっている」とトヨタの検査員は評価しています。持続することの難しさを痛感します。
トヨタの「もっといいクルマをつくろう」のキャッチフレーズが大変重いものであるのが分かります。
「事故をゼロにする」気構えで、社用車の運用安全管理は持続的に「カイゼン」を進めなければなりません。
まず、事故の前兆とも言える「ヒヤリハット」に注目してみましょう。
社用車の運転中、ヒヤリハット経験がある人は約90%?!
「ヒヤリハット」経験とは、仕事中や運転中に「ヒヤッとした」とか「ハッとした」など、危険!と思った経験のことです。
ある企業の調査では、社用車の運転中にこのヒヤリハット経験をした人は88%もいたということがわかっています。また、一般ドライバーの調査においても、7割ほどのドライバーがヒヤリハット経験をしたとアンケート調査で出ています。
引用:
・事故削減を実現させる車両管理実践法紹介(ビークルアシスト)
・自動車の運転支援機能のアンケート調査
一般ドライバーに比べて社用車の運転者の運転頻度は高く、ヒヤリハット経験の確率が比較すると高くなるのは当然のことでしょう。それだけ多く交通事故の危険が潜んでいるとも言えます。
つまり、「走る距離が長くなれば、事故防止の努力も増大させねば事故になる」ということです。
ヒヤリハット経験が多いのは重大事故の前兆?!
社用車を運転している日常において、ヒヤリハット経験が多いということは、重大事故が起きる前兆であるとも言えます。
それはなぜでしょうか? ハインリッヒの法則を知っている人は、もうお分かりと思います。
ハインリッヒの法則(1:29:300の法則)とは?
「ハインリッヒの法則」は、ビジネスにおける”リスクマネジメントのいろは”として重要視されているのはご存じでしょうか?
ハインリッヒの法則とは、
「1つの重大事故の背後には、29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」
というものです。
「300の異常」がいわば「ヒヤリハット経験」であると考えると、300回のヒヤリハットがあれば、そのうち1回は重大事故の可能性があるということになります。
ですから、「ヒヤリハット経験が多く発生している=重大事故の前兆」と考えたほうが良いのです。
つまり、300回のヒヤリハットを減らしていけば、自ずと重大事故の可能性も低くなります。
企業活動においては、1つの重大事故が企業の存続を左右することになるため、リスクマネジメントの要として「ハインリッヒの法則」が重要視されています。
ヒヤリハットの原因
では、クルマを運転する多くの人が経験している、そして重大事故の前兆となるヒヤリハットの原因はなんなのでしょうか?
自動車安全運転センターの統計データを参考に、少し詳しく見てみましょう。
出典:ドライバーの運転意識とヒヤリ・ハット体験との関連に関する調査研究(Ⅱ)(自動車安全運転センター・平成8年)
意外と多いヒヤリハット「追突しそうになる」
上図「ヒヤリハット体験者比率」の統計データのベスト3を、以下に挙げてみましょう。
1位:走っている前の車に追突しそうになった
2位:前の車が急ブレーキをかけて事故になりそうになった
3位:人や自転車が飛び出してきて事故になりそうになった
意外と多いのが、1位と2位の「追突しそうになる」ヒヤリハットです。
3位の「人や自転車が飛び出してきて事故になりそうになった」というのは、歩行者や自転車が視野に入っておらず不意にという可能性が高いのです。
しかし、1位と2位においては、前のクルマは運転していれば必ず視野に入っているはずなので、車間を十分にとって全歩をきちんと見て運転していれば、追突しそうになったり、急ブレーキを踏む可能性は低いはずなのです。
追突ヒヤリハットの原因は、「脇見運転」!
では、なぜ追突のヒヤリハットが多いのでしょうか? 原因を探るため、もう1つのデータから検証してみましょう。
以下の統計データは、実際の人身事故の原因となった違反の特徴を表したグラフです。免許経過年数別の主要な違反の構成率となっています。
出典:あなたの運転免許を見つめて下さい(交通事故総合分析センター)
上図『免許経過年数別法令違反の構成率』の中で、人身事故の原因となった1つである「脇見運転」のグラフを見てみると、他の原因よりも「安全不確認」とともに大きな構成率(20%前後)となっているのが分かるでしょう。
脇見運転が原因の人身事故が多いのです。
脇見運転は、免許をとってから1年未満のドライバーが一番多いですが、経過年数にかかわらず多いことが確認できます。
運転経験が短かろうと長かろうと関係なく全般的に脇見運転が多く、かつ、わずかですが運転経験が短いほど多くなっているのが特徴です。
しかし、脇見運転がクルマのドライバーに多いということは、当然に前方を見ていないのですから、前車に追突しそうになるヒヤリハット経験も多くなり、「ヒヤリハット体験者比率」の1位2位に入るというのにも納得がいくものです。
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前述のように、人身事故に至る重大な交通事故の原因となるヒヤリハットを減らすには、企業はどんな対策をとったらよいのでしょう。
以下のような対策が挙げられます。
(この前提に、一定台数以上の自家用車(白ナンバー)を使用する事業所は、資格を有する安全運転管理者及び副安全運転管理者を選任しなければなりません。)
(1)労働条件を整える
労働条件を整えることは、ヒヤリハット経験を減らすために最重要です。これほど企業の総合力、つまり実力を必要とする事項も少ないでしょう。もし万が一、過労による事故を起こした企業は、世間から信用を失墜します。
例えば、労働条件を整えれば、人手不足により長時間労働を強いられ、睡眠不足を起こしているドライバーのヒヤリハットを軽減することが可能です。でも、それには人手を集めねばなりません。人手を集めるには給与を上げることが必要です。すると、仕事の進め方において技術的工夫がなければ、企業は存続できません。それには社員の協力が必要です。
つまり、実力が必要なのです。
超過勤務のため睡眠不足により重大事故を起こしたベテランドライバーは多くいます。大事な主力の人材喪失は、企業にとっても痛手です。
(2)運転支援装置付きの車を調達する
運転支援装置付きの車を調達することにより、追突事故などのヒヤリハットをを軽減できます。ここ数年で安価な市販車にも運転支援装置が充実してきたので、利用しない手はありません。
例えば、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制制御機能、車間距離制御装置(ACC)などは、万が一、多くのドライバーがやりがちな脇見運転をしていたとしても、追突事故を回避することが可能です。
万が一重大事故を起こした時の損害を考えると、運転支援装置付きの車を調達する投資は有益です。
しかし一方で、こうした運転支援装置を過信した事故も起こり始めています。装置を使うにも、運転者の心構えを常に新たにする必要があります。
こうした思い違いを防止するためにも、プロのノウハウを学ぶことが出来る「(5)安全運転講習を受講する」を検討してください。
(3)法令順守(交通法規を守る)を徹底する
法令順守をドライバーに徹底することで、ヒヤリハットを防ぎます。
例えば、上図『免許経過年数別法令違反の構成率』を検証すると、「信号無視」「一時不停止」が原因で人身事故に至ったのは、免許経過年数が1年未満のドライバーに多くいることが分かります。なぜかは分かりませんが運転未熟者が、法令を無視する傾向があり、おそらくは、クルマを運転することが危険である認識ができていないのでしょう。
つまり、新入社員、あるいは免許取りたての社員に法令順守(交通法規を守る)を徹底することが優先事項となります。
(4)社用車の始業前点検・日常点検を怠らない
車の始業前点検・日常点検を怠らなければ、ヒヤリハットの軽減が可能です。
例えば、日常点検を怠っていなければ、タイヤの異常摩耗によるスリップ事故や横転事故、ウォッシャー液不足による視界不良が原因の追突事故などを防ぐことができます。
企業が日常点検の怠慢により重大事故を起こしてしまうと、「タラレバ」の言い訳では済まされなくなってしまいます。
さらに、始業前点検を真剣に行うことにより、「心構え」を新たにして仕事にかかることが出来ます。
(5)安全運転講習を受講する
実務に追われる現場では、ペーパードライバーであるからと運転に躊躇していられない実態があります。そこで、教習のプロが組み上げた安全運転講習カリキュラムを事前に受けることをおすすめします。効率よく安全運転を学ぶことができます。
企業向けカリキュラムが整った安全運転講習を受講すれば、ヒヤリハットを軽減して、企業に打撃を与える交通事故を回避することが可能です。
FDSの企業向け安全運転講習
※FDSの企業向け安全運転講習は、以下のような充実のカリキュラムをご用意して、御社のヒヤリハット軽減のお手伝いをさせていただきます。
①実技講習
・新入社員向け安全運転講習
・シニアドライバー向け講習
・事故・違反者向け運転講習
・運転技能確認
・ワンボックスカー向け講習
・交通ルールの再確認
②座学・講義
・事故惹起者のタイプ
・初心者ドライバー講習
・よくある事故原因
・再発防止策の解説
③安全運転検定
・運転チェックシートでの採点
・会社周辺での路上教習
・自信UPの個別アドバイス
④OD式安全性テスト企業版
・健康度/成熟度評価
・注意すべき点
・性格特性
・運転マナー
・運転総合評価
企業向け安全運転講習で、ヒヤリハット経験を減らしませんか?:まとめ
社用車の運用と安全管理において、ヒヤリハット経験の多発を放っておくと重大事故の確率が上がり、企業にとって重大事故は存亡に至る事態を招く可能性があります。
事故をゼロにすることは難しいことですが、事故ゼロを目指すには、ヒヤリハット経験を減らす努力を積み重ねるしかありません。
運転支援装置など設備で防げるものに投資は惜しまず、同時に、教習のプロが用意した安全運転カリキュラムを有効に役立てることをおすすめします。
これは終わりのない闘いとも言えるのであり、トヨタが世界に広めた「カイゼン」の考え方を是非とも取り入れてほしいものです。
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