ペーパードライバーは交通事故に遭いやすい?!①ご近所練習編 だから講習で防衛運転を身に付けよう!
「ペーパードライバーは交通事故に遭いやすい?!」と言われて、もしかしたらイラっときてしまったペーパードライバーの方もいらっしゃるのかもしれません。でも、統計データからもそれは明らかです。
そこで、この記事では教習所指導員の有資格者が「防衛運転(かもしれない運転)」のノウハウを丹念にお伝えします。
ペーパードライバーの皆さんが交通事故に遭わないように、運転のコツを徐々に身につけ、ベテランドライバーに成長し、日常的にも防衛運転(かもしれない運転)を心がけられるようにお手伝いします。
この記事では、以下のポイント3つについてお伝えします。
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(1)運転技量が足りないペーパードライバーは交通事故に遭う可能性が高い?!~データから検証
(2)運転技量を上げるための「運転のコツ」とは?防衛運転を心がけよう①ご近所練習編(5回シリーズの第1回目)
(3)ちゃんと「運転のコツ」を習得するには、ペーパードライバー講習が手っ取り早い!
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目次
1.ペーパードライバーは交通事故に遭う可能性が高い?!~データから検証
交通事故総合分析センターのデータから検証
まず、ペーパードライバーが交通事故に遭いやすい理由を、あるデータから検証してみましょう。
交通事故総合分析センターの統計データ(1995年・平成7年)、『事故の原因となった法令違反の特徴』を見てみます。すると、免許をとってから1年未満の運転者の「運転操作不適」による交通事故(人身事故)構成率が、10年以上の運転者の1.5倍ほどで多くなっていることがわかります。
引用:あなたの運転免許を見つめて下さい「運転経験と事故・違反」(財団法人 交通事故総合分析センター)
「運転操作不適」だと事故に遭いやすい
運転操作不適とは、端的に言うと「自動車の操作ミス」です。具体的には、「ブレーキとアクセルの操作、ハンドル操作、ギア操作、ウインカー操作などが適していない」ということです。
人間は間違うことがあるので、この運転操作不適・操作ミスはどのドライバーであっても起こりえます。しかし、人身事故を起こした運転者の中で、運転免許をとってから1年未満の運転者の「運転操作不適」の率が、10年以上の運転者と比較して1.5倍ほど多かったことは、データから見て事実です。
「免許をとってから1年未満の運転者」とは、言い換えれば、ブレーキとアクセルの操作、ハンドル操作、ギア操作、ウインカー操作などの運転技量が足りてない人のことを指します。
「運転技量が足りない人」といえば、ペーパードライバーも同様でしょう。例えば、免許を取得してから3年以上経っていても、その間に運転をまったくしていなければ、運転技量の習熟度が上がらないままになっているはずです。
つまり、「運転操作不適」=運転技量が足りないペーパードライバーは交通事故を起こしやすい、あるいは交通事故に遭いやすいということになるでしょう。
もう1つのデータから検証
2017年のペーパードライバー(456人)を対象にしたペーパードライバーアンケート調査(日本自動車連盟JAF)では、
「運転をしなくなった、もしくは運転をしない最も大きな理由はどれですか?」
という問いかけがありました。
最も多かった回答は、
「運転技量が不安」28.1%
でした。
また、
「運転再開に向けて最も障害となっているものは何ですか?」
という問いかけもあり、回答の中には、
「運転技能をどう取り戻せばよいのかわからない」16.3%
という悩みをお持ちであることがわかります。
最近ではライフスタイルが変化してクルマの運転を余儀なくされる方も増えています。そこで、運転技能をどう取り戻したらよいのか悩んでおられるのでしょう。
引用:ペーパードライバー アンケート調査(JAF)
このように、データを検証したことでペーパードライバーの方々がどのような状況であるのかがわかってきましたね。
ペーパードライバーの方がこれからクルマを運転しなければならないのなら、交通事故を起こさないための運転技量をはやく身につけなければなりません。
「運転不適」にならないための運転技量とは?
そこで、運転技量とはどのようなことなのかを一緒に見ていきましょう。
当スクールの資格を持ったインストラクターがおこなった豊富な教習経験をもとに、道路状況に応じたさまざまな運転技量、つまり「運転のコツ」をできるかぎりお伝えしようと思います。
本編に入る前に。
タイトルにある「防衛運転」と聞いて「迎え撃つのか?」なんて考えがよぎった人もいるかもしれません。しかし、安心してください。「防衛運転」とは、むかしからベテラン運転手が行ってきた「予測運転」のことです。
つまり、「シミュレーション」しながら運転し、「次に何が起こるのか?」を考えて、「事故に至らないよう」予防して「自分を守る」運転のことです。
例えば:小学校のそばの道では「子供が飛び出す可能性」を予測して、「スピードをいつもより落とす」ようなことです。更には、「ボールが飛び出したら、次は子供が飛び出す」と直感して、子供が飛び出す前に、ボールが飛び出したその時「緊急ブレーキ」を掛けるような運転です。
以下、「2.運転技量を上げるための運転のコツ」5回シリーズの本編を読み進めていくと理解しやすいはずです。
まず第1回目は、【運転のコツ①ご近所練習編】からです。
ペーパードライバーの方が運転を練習し始める時、まずは自宅の車庫からクルマを出して、ご近所の道路を運転していくことになるからです。
そこで遭遇する数々の運転のコツとは? 運転技量を上げるために必要なアクセル・ブレーキ操作、ハンドル操作、車両感覚などに注目して読み進めていただけると、理解しやすいでしょう。
2.運転技量を上げるための運転のコツ① ご近所練習編
ペーパードライバーの方のご自宅周辺を仕事柄拝見しておりますと、「これはペーパードライバーになってしまうのも仕方がないですね」と思われるほど
- 駐車場のスペースが狭い、機械式駐車場のために両側の柱がこわい
- 道が狭い
- 一方通行などの標識があってむずかしい
- 歩行者や自転車が行きかう道路が多くて、歩行者を轢いてしまう未来しか見えない
など特徴的だったりします。
ペーパードライバーのこんなお悩みがあるご近所練習する場合、交通事故に遭わない・起こさないための運転技量を上げる「運転のコツ」を見ていくことにします。運転技量を上げると、できるだけ交通事故に遭わない運転方法、防衛運転を身につけることができます。
●狭い道での運転のコツ
狭い道を通るとき、いちばん怖いことは「車をぶつけたらどうしよう」という直進時の車両感覚についてだと思います。しかし、教習所などでよくいわれる「視点を遠くに」といわれても、
「わかっているけど実際にどこを見たらいいのかわからない」
とペーパードライバーや初心者の方は思われているのではないでしょうか。
これに効果てきめんなのは、「左足の裏」理論です。
自分の左足の裏を運転席の左足置き場に置いたら、自分が走りたい道路幅の真ん中にその左足の裏が来るように車を運転すると、クルマが道路幅の真ん中に来る、という運転のコツです。
それともうひとつ
ある程度狭い道にきましたら、信号待ちの時や後ろに車がいない時になど、
両方のサイドミラーをみて、車体と車線(あるいは壁)がどれくらい開いているのかを見てから前を向いてみますと、
「こういう道路の見え方だったら左に寄ってるのか」
「これぐらいの狭さでこれだけ左右が開いているのか」
とざっくりわかってきます。そうしたら、自信のない狭そうな道路は避けて、自分のクルマの車両感覚がわかる道路から慣れていくのが運転のコツです。
もちろん、おひとりで試されるのには勇気がいりますが、助手席にだれか乗っていてもらえるとそれだけで安心ですよね。
できればベテランドライバーに助手席に乗ってもらい、わかりにくい左側の感覚、例えば「今は壁から○○センチくらい離れてるよ」とか「さっきより壁に近いよ」とかのアドバイスをもらえると、自分の感覚を修正しながらきちんとした車両感覚を持てるようになるでしょう。
車両感覚をきちんと持つことは、他のクルマや物にぶつかることなく運転できるため、交通事故を減らす防衛運転につながります。
●狭い道での右左折(ハンドル操作、アクセル・ブレーキ操作)
狭い道で右左折しなければいけないとき、心配なのが「車体を擦ってしまったらどうしよう」「前が当たってしまったらどうしよう」というように、自分が「危ない」ということに気がつかないままどこかにぶつけてしまうことかと思います。
右左折での運転のコツは、
最初から「ハンドルを全部まわす前提」ではないということです。
まず、家の壁などで左右からくる車や歩行者が見えない場合、「だれがいちばん自分に近いか」を消去法で見ていきます。
いちばん近いのは、左右からくる歩行者・自転車です。
「こないか進みながら確認」と思いながらアクセルに足を置いておくより、「きたら絶対止まる」と思いながらブレーキに足を置いておき、弱いブレーキをかけながらそろりそろり前に出ていくほうが、いざというときに止まれます。
「私の車は止まってしまうと、アクセルを踏まなければアイドリングストップが解除にならない」
という方もいらっしゃるでしょう。狭い道を通る際にはアイドリングストップoffスイッチを押して通るとやりやすいかもしれません。
身を乗り出して、
歩行者・自転車がいないことが確認できたら、一度止まってハンドルを一回転まわしてから、
次に左右からの自動車やバイクを確認しながらそろりそろりと出ていきます。
道の狭さでハンドルの一回転の量を調整するとよいでしょう。
身を乗り出して、左右からの車がいないことが確認出来たら、クリープ現象を使って右左折先の道路へ曲がりながら進んでいきましょう。
正確なハンドル操作、アクセル・ブレーキ操作ができることは、交通事故を避ける防衛運転ができていることと同じことです。
●狭い道でのすれちがい
すれちがいは、よく教習所では「行き違い」と呼ばれるものです。
狭い道では、二輪車や四輪車・トラックなどの対向車、また左右両側にいる、あるいは向かってくる歩行者・自転車などをよけて、すれちがいしなければなりません。
まず大前提として、
「走行しながらのすれちがいがダメそうなら、ムリせず左端に寄せて止まり、相手によけてもらう」が基本です。
狭い一方通行の道路でしたら、止まった状態で歩行者によけてもらう、というのもアリですよ。ペーパードライバーだからということではなく、慣れたドライバーでもその選択をなさる人は少なくありません。
狭い道路をとおる場合、速度は速くなくていいです。
そのかわり、「対向車が来たらこの電柱のせいですれちがえなさそう。だから、もしきたらこの電柱の手前までに左わきに寄っておいて止まってゆずろう」と思ってください。
止まる場所は、左側の電柱や街灯・あるいは歩行者の手前などでもいいのです。あらかじめ止まって待つところを決めながら進むとよいでしょう。それが、「運転のコツ」であり、交通事故を避ける防衛運転となります。
ひとつひとつ決めながら進むのは、最初は大変かもしれませんが、そのうちに慣れるでしょう。
すいすい通る必要はありません。
いざというときに備えて、止まれるところを見つけながら進む、というくせをつけることが大事なのです。
電柱や歩行者、自転車をよけて進む場合、「くの字」によけるのではなく、歩行者・自転車などひとり分のスペースを余計にとって右に出たあと、まっすぐ進んで抜き、抜き終わったことを確認したら左側に戻る、というようにしましょう。
また、止まって対向車に進路をゆずる場合、「止まると後続車に怒られる」などと思わなくて大丈夫です。
みんなお互い様ですし、ほかの場面でだれかに余裕のある対応をしてあげることで喜ばれます。そしてなにより、交通事故を避ける防衛運転の方が優先です。
生活道路(市町村道)での運転のコツ
「狭い道」の次は、「生活道路(市町村道)」での運転のコツについてです。自宅に近い狭い道より道路の幅が広く、センターラインが標示されているような道路では、クルマは狭い道より速いスピードで走行しています。
また、道路標識や標示が多いのも生活道路の特徴です。道路標識や標示を守ることも、交通事故を避ける防衛運転の1つです。
●道なりの運転のコツ
道なりの運転のコツ
スーパーマーケットやペットの病院・親戚の家などへ行くために、生活道路を道なりに運転するとき、慣れた道とは言えどうしても
「私が通ったら、なんだか申し訳ない気がする」
「みんなの迷惑になりそう」
などと考えてしまい、なかなか自信がわいてこないものです。
ただ、ぜひこの一点は覚えておいていただきたいのですが、
「初心者マークをつけていない車でも、スピードが遅かったり、線からはみ出して走行する車はたくさん見かける」
ということです。車道を走行している車すべてがみんな完璧な運転をしている、というわけではないので、安心しましょう。
そういう心構えも「運転のコツ」です。
気持ちをすこし軽くして、お試しになってください。不安でしたら、ファーストドライビングスクールのインストラクターがお手伝いさせていただきます。
●生活道路で加速する時の運転のコツ
道なり走行、つまり、まっすぐやカーブなど右左折しない生活道路の加速走行の運転のコツについてです。
ペーパードライバー講習をしておりますと、最初のうちはみなさん生活道路でもスピードが出せないものです。それは当然のことです。
「自分よりもぜんぜん大きくて、幅やパワーなどの感覚なんてわからない」
クルマをそこまで信用できないものです。
ですので、まず前を見てみましょう。
といっても、教習所のように最初から「先を見ながら走りましょう」なんてわけのわからないことを言うつもりは毛頭ありません。
まずは前を見て、例えば「自分の位置からあの電柱までは、車も人もまったくいない」というのを確認してみましょう。走行している生活道路で、自分の今いる位置から「このまままっすぐ走るとぶつかるもの・遮るもの・あぶないもの・飛び出してくるかわからない場所がまったくない」ところはどこなのかを見てみましょう。
そして、そこまでの範囲の中だけ、つまり障害物がなさそうな部分だけ、おそるおそるで上等なので、アクセルペダルを1cm-3cmほど踏んで固定してみましょう。そうすると、車がゆっくり自分で加速していってくれます。
これが生活道路で加速する時の運転のコツです。
万が一、なにか飛び出してきた場合でも、急ブレーキで絶対止まれるスピードを目安に走ってみましょう。
加速が自分にとって速ければ、いま踏んでいるアクセルペダルの深さをゆるめたりして、徐々に「車が加速していく」感覚に慣れましょう。
もちろん、途中でアクセルペダルから足を放して、なにも踏まない状態を維持しても大丈夫です。
ある程度加速に慣れてきたら、次は、いま走行している生活道路の制限速度を確認します。
※ペーパードライバーであっても、最初から制限速度ぎりぎりで走行できるのであれば、この加速についての運転技量は大丈夫です。
生活道路の制限速度で走行できなくて困っている方で、
「なんとかアクセルは踏めるようになった!」
と思いましたら、次のことをお試しください。
たいてい、制限速度は、交差点や信号の先に「40」などの数字の書かれた看板(標識)や道路に書かれた数字(標示)で表示されています。
アクセルペダルを踏んで固定した状態で、スピードメーターをチラ見しながら、その標示された速度になるまで待っていても大丈夫ですし、落ち着くために一度アクセルを放して再び踏みなおす、でもかまいません。
そうしますと、徐々に加速を加減することに慣れてきます。
生活道路など道路状況に応じたアクセル操作、つまり加減速、そしてブレーキ操作は、交通事故を避ける防衛運転には必須です。
●生活道路を運転する時のブレーキ
ペーパードライバーの皆さんが生活道路で運転する時、ブレーキについて気になっていることは、
ブレーキを踏んだ時に
「車を揺らしたくない」
ということではないかと思います。
ですので、「まったく揺れない」というよりは、これからご紹介する方法で「揺れが少ない」からはじめて自分の感覚を身につけたうえで、納得のいくやり方を試してみられるのがいいかと思われます。
アクセルペダルを踏んでいる状態からすぐにブレーキペダルを踏みにいくと、「加速している状態から、急に減速する状態」になるため反動が起きやすく、揺れます。
ですから、アクセルからブレーキへと足を持ってくる前に、「あえてなにも踏まない時間」を作ることが重要です。
これは確かに難しそうですが、走行中に前を見ていて「あの郵便ポストの位置からブレーキをかけようかな」と、早めに目印を決めておくといいかもしれません。
▼ブレーキを踏むときに心がける点を三つほど。
- ブレーキをかける際はかかとをつけない
- 止まろうと思っている位置から車5-6台分ぐらい手前からブレーキをかける
- そうすれば、もしかしたらそのブレーキ、自分が思っている以上に車体は揺れていないのかも
上記の心がける点につきましては、座席の位置や踏み方、力の抜き方なども関係してきますので、わからない点がありましたら運転できるご家族へご相談か、「効率よく運転をマスターしたい」と望まれる方は、当ファーストドライビングスクールのペーパードライバー講習にお任せください。
しかし、ブレーキの大前提は「危なくないように止まれたらいい」ということなので、まずは自分で決めた場所に止まれたら最高です。
前後のクルマとの車間距離をきちんと考えたブレーキ操作は、交通事故を避ける防衛運転にもつながります。
生活道路の優先道路
道路には優先道路があることを覚えておきましょう。そう、優先順位があるのです。
例えば、たまに信号のない交差点をとおるとき、
「私と横の車と、どっちが優先?」
と迷ったりしますよね。
▼優先道路、見極めのパターン5つ
- 1.【広い道路が優先】
交差点で、道幅が広い道路と狭い道路では、広い道路に道をゆずる - 2.【左方のクルマが優先】
交差点で、道幅がおなじ(ように見える)場合は、自分から見て左からの車に道をゆずる - 3.【標識・標示のある道路が優先】
交差点の、中に中央線・車両通行帯が通っている、
または「優先道路」の標識がある方に、道をゆずる
(優先ではない方からとおる場合、徐行または一時停止です) - 4.【一時停止のない道路が優先】
一時停止の標識標示(とまれ)がある方は、ないほうに道をゆずる - 5.【標識・標示のある道路が優先】
逆三角形が書かれていたら、合流する時その標示のある道路を走るクルマに道をゆずる
※信号がある場合は信号にしたがいましょう。
また、優先道路側を走行しているからといっても、道路標識標示についてや優先関係について忘れているドライバーは数多くいるのが現実です。ですから、相手が忘れていそうな場合は、事故防止のために止まってゆずる、ということも選択肢の一つとして考えておくのもいいでしょう。
また、明らかに優先道路を走っている場合で、渋滞にわきから割り込んでくるクルマなどには、余りゆずり過ぎないことも必要です。優先道路の渋滞の元となってしまいます。優先順位は的確に守ることが先決です。
そのようなちょっとした心構えも「運転のコツ」の1つで、交通事故を避ける防衛運転となります。
●生活道路でのすれちがい
まず生活道路では、対向車とすれちがいをする時、狭い道と違って中央線(車線)をお互いに踏まなければ、車同士が接触することはありません。
しかし、生活道路のような少し大きな道路でも、歩行者が歩道のないところを通行している場合、車道を走行する自転車を抜く際に中央線を踏まなくてはならない場合は、対向車がいないか確認し、いない間に抜きましょう。
基本的には、「よけなければその道を通れない道路が往路復路どちらかにある場合、よけなければならない障害がある方が停止して待つ」と思っておくといいです。
歩行者や自転車のそばを抜ける場合、人ひとり分の余裕をあけるために右へ移動したあと、まっすぐ抜き、抜き終わったことを確認してから元の通り方へと戻りましょう。
「人ひとり分の余裕」、これが運転のコツであり、交通事故を避ける防衛運転です。
●生活道路の信号
黄色信号は「止まれ」!
生活道路の信号で気をつけたいことは、黄色の灯火信号(ちかちかではない黄色信号)は止まりましょう。
しかし、急ブレーキじゃないと止まれなくて、後ろから追突されてしまう危険がある場合は例外ですが、こうした場合は極めてまれです。歩行者信号などの点滅でタイミングを知るなどして、黄色信号でも止まることが前提です。
「黄色信号=注意して進め」ではなく、「黄色信号=止まれ」なので気を付けましょう。
点滅信号
また、黄色の点滅信号(ちかちか)は灯火よりも意味が弱く、「まわりに注意して、進めるのなら進みましょう。ダメなら止まります」という意味。
赤色の点滅(ちかちか)は、「停止線で一時停止して、まわりからだれも来なければ進んでもいいですよ」という意味です。一時停止の標識標示(とまれ)と一緒です。
ひとつのみの信号
また、住宅地の細道から生活道路へでる交差点(例:足立区や狛江市)には、赤の点滅信号を知らせるだけの「赤色ひとつのみの信号機」や黄色の点滅信号のためだけの「黄色ひとつのみある信号機」もところによってはありまして、意味は一緒ですので守りましょう。
(手信号の注意点)
停電や事故のために、「警察官」や交通巡視員が行っている手信号には従いましょう。
しかし、工事現場等で「警備員」の誘導で先を促されても、6-7割ほど疑って慎重に通るとよいでしょう。
一方、警備員は、警察官と違って道路交通のプロでも交通整理の責任を負う立場でもありません。ですので、警備員の誘導により事故、という場合、主にドライバーの過失を問われ、警備員の責任も過失の程度によって負担が決められていきます。ですので、安心して誘導に従う、というのは難しいようです。
また、警察官の手信号の場合、警察官がこちらを向いていたら(背中を向けていても)とにかく赤信号です。警察官が自分から見て横を向いていた場合、手を挙げていたら止まりましょう(黄色の灯火といっしょ)。横を向いて手を下ろしていたり、手をこちら側に向けている場合は青の灯火といっしょです。
このようにさまざまな信号機の種類が実際にあるということを、覚えておきましょう。そうすれば、見慣れない信号機に出会った時でも間違った運転操作をせずに済み、交通事故を避ける防衛運転となります。
生活道路での右左折時の運転のコツ(共通)
生活道路の交差点を右左折するときに、
「狭い道路との違いはなに?」
「どこに気をつけたらいいか?」
「どこで車や歩行者を待っていればいいか?」
ということが知りたい方は以下を参考にしてください。
- 交差点で右左折したい時、曲がりたい方のサイドミラーをちらちらみて、バイクが迫ってきたり 抜いてこないか見ておきましょう。慣れないうちはずいぶん手前からでもいいので見て確認しておきましょう。
バイクに抜かれそうなときは、おとなしく抜かれましょう。 - 右左折したい交差点の30mほど手前から、右か左の曲がりたい方にウインカーをつけます。早めにウインカーを出して周囲に知らせることは、交通事故に遭わないための防衛運転です。
また、交差点がみじかい距離で連続してある場合、曲がりたい交差点から一つ前の交差点を通るぐらいからウインカーを出すと、その交差点から出てきたい車に勘ちがいされて飛び出されたりしないので安心です。
そういう配慮もちょっとしたことですが、「運転のコツ」です。 - ハンドルを全く動かさないで、曲がりたい方の後部座席のドアノブあたりに並んで走っている車がいないか、振り向いて探します。(目視) 停車中に、バックミラーには死角が存在することを確かめておくことが有効です。後ろを振り向く(目視する)と前方を見ていない時間が生じるため、左右斜め後方にバイクやクルマ、人が入ってくる前から、常にその存在を認識しておくことが極めて重要です。
ベテランドライバーであっても、1度や2度は死角のクルマなどに気付かず、「ひやり」とした経験があるものです。怖いと思うなら、運転支援システムが装備されたクルマを購入することもアリです。 - 目視をして顔を元に戻したら、手のひら一つ分ぐらいだけ曲がりたい方にハンドルを振って、車を寄せます。慣れないうちはむりせず、できる範囲でいいです。
できればバイクが抜けてこられないように曲がりたい方に寄せた後、車体をまっすぐにしてハンドルもまっすぐにします。
このように、周囲のクルマやバイクなどのムリな動きを牽制して、未然に防ぐのも重要な運転のコツです。 - さて、交差点に差しかかったら、横断歩道の手前あたりまでに、歩く速さから自転車でゆっくりこぐぐらいの速さぐらいにスピードを落とします。まわりの車を見るとわかりますが、みんな右左折するときはゆっくりになるものです。
心配な方は、助手席の方に「今のブレーキは急だった?」と聞いてみるのもいいでしょう。 - 横断歩道の向こうからと、手前の方からの歩行者・自転車を確認して、大丈夫ならハンドルをカーブなりにきって曲がります。
この時、最大級に注意が必要なのは、「速い自転車」です。特に高スピードで交差点に入り、急激に左右に曲がる自転車です。これは見逃すことが大変多い行動です。
【補足】
生活道路での交差点で、右左折する時のスピードが高くなるのが心配な方は、2.が終わった後の3.で、アクセルから足を放しておいてもいいです。クルマは自然にスピードが下がるので、気が楽になります。
4.のクルマを曲がりたい方にに寄せる時、慣れないうちは「こっちへ曲がりたいよ」ということが周囲に伝わるくらいに寄せる気持ちで始めるといいでしょう。
しかし、アピールしていても関係なく抜いてくる自分勝手なバイクが多い時もあるので、サイドミラーと目視はよく確認するといいでしょう。
生活道路で右左折する際、後続車が気になりすぎてアクセルをしっかり踏み込みながら右左折、というよりは、ゆっくりの速度を保つようにアクセルペダルを1mm-1cmの間ほどで固定しながら進むと、こわい速度になりません。
自分の運転技量に合った運転操作をすることも必要です。それが交通事故に遭わないための防衛運転となります。
生活道路での右折時の運転のコツ
○ 生活道路で右折する時、対向車や歩行者、自転車を待つ場合、交差点中心の少し手前で待つのが「運転のコツ」です。
交差点の中心にしま模様のひし形がある場合は、その手前で待ちます。なければ、中心よりは少し離れたところ(慣れないうちは、横断歩道からすこし前にはみ出したぐらいでも可)で待ちます。
○ 交差点中心の少し手前で待つ場合、右にハンドルを振るのは控えた方がいいかもしれません。
対向車がまっすぐ走ってきたとき、対向車の進路に自分の車がはみだしてしまって、対向車のじゃまになったり、接触してしまうと危険です。また、自分のクルマが追突された時、反対車線に飛び出し正面衝突となってしまいます。
交差点中心の少し手前で待つ場合、停止線が右を向いていても車体を右に振らず、ハンドルも直進のままにしておくのが「運転のコツ」です。
○ 対向車がいなくても、右折先の横断歩道で歩行者が渡っている場合も同様に、交差点中心の少し手前で待ちます。特に注意が必要なのは、右側通行で横断歩道の脇を高速で渡る自転車です。ルール無視の想定外行動のため見落とす確率が高くなります。
生活道路での右折時に横断歩道の手前で歩行者を待つと、対向車があとから来たら自分の車が通行のじゃまになってしまいます。
交差点中心で待ってはいけないのは、対向車の右折車と前部分が衝突してしまうからです。対向車の右折車も止まって待機できるように、交差点中心より手前で待ちましょう。
○ また交通量の多い生活道路の右折待ちの時、後続車に気をつかいすぎて、あせってしまう必要はありません。
慌てていこうとして事故が起こった方が悲惨ですし、右折は、処理しなければならない情報が最も多い場面なので、あらゆる意味で時間もかかります。
○ 一方通行の道路から右折する場合は、道路の右端へ寄った状態で、曲がりやすいところからゆっくり右折するとよいでしょう。
一方通行から右折の場合、上記のように「交差点中心の少し手前」までいかないのは、せっかくバイクに抜かれないように右端へ寄ったのに、交差点の中心のすぐ内側までいくために左へ車を向けなければならないという、文章上ならではの「伝達の不具合」が出てしまうためです。
安全確認は必須です。
生活道路での左折時の運転のコツ
○ 生活道路での左折時は、バイクが抜けてこられないぐらいに車道左端にクルマを寄せたまま左折していきますが、歩行者や自転車がいたら横断歩道の手前で待ちます。いなければ左折していきます。
○ 左折中は「車道のきわまで寄らなければ!」というよりは、「大きく曲がりすぎて、左折先の対向車に当たってしまわないように」という意識でいいでしょう。
上記のように、生活道路の右左折時の待ち位置ひとつをとってみても、細かい運転のコツがあることがおわかりになると思います。
その運転のコツが防衛運転で、交通事故を避ける方法です。
3.ちゃんと「運転のコツ」を習得するには、ペーパードライバー講習が手っ取り早い!
さて今回は、たくさんある運転技量を上げるための運転のコツの中でも、東京にお住いのペーパードライバーの皆さんの、自宅から近い狭い道や生活道路などご近所練習編に絞ってザックリとお伝えしてみました。いかがでしたか?
ご自分の運転技量を思い返してみて、「こういう運転のコツは分かっていなかったな」というところが見つけられたでしょうか。
もし、「もっとちゃんと運転のコツを習得してみたい!」と思ったペーパードライバーの方は、ぜひファーストドライビングスクールのペーパードライバー講習を利用して、実践に合った運転のコツを丁寧にアドバイスしてもらってください。当スクールのインストラクターは教えるプロなので、手っ取り早く習得することも可能です。
そうすれば、今よりも自信を持って運転できるようになります。
そして、冒頭でお伝えしたような「運転操作不適」、つまり運転経験が少ないペーパードライバーや初心者のハンドル操作、アクセルやブレーキ操作の不適による人身事故の確率が高いことが事実としてあります。
もしペーパードライバーの皆さんが、ここでお伝えした以外にもたくさんある運転のコツを習得できたとすれば、もっともっと運転技量が上がって不安が解消し、同時に交通事故を避ける防衛運転もできるようになります。
ぜひ、当スクール、ファーストドライビングスクールの「道路・運転上達のためのプロ」であるインストラクターにペーパードライバー講習をお任せして、本当の安全運転が実感できるようになりましょう。
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