ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システム、苦手克服が交通事故防止になる
「ペーパードライバーだけど本当は運転したい」と思っている方が、実は多くいることが統計データから分かっています。今回は、そんなペーパードライバーには、クルマの自動運転化で進化している運転支援システムが有効であることをお伝えしたいと思います。どんな運転支援システムが必要なのか具体的にみてみましょう。
目次
ペーパードライバーは「運転苦手」「運転下手」を克服して運転したいと思っている
JAFのペーパードライバーアンケート調査によると、以下のような結果になっています。
出典:ペーパードライバー アンケート調査
●Q:運転をしなくなった、もしくは運転をしない最も大きな理由はどれですか?
A:運転技量が不安(最も多い回答)
●Q:運転再開に向けて最も障害となっているものは何ですか?
A:運転することが不安(最も多い回答)
最も多い回答をそれぞれ見てみると、ペーパードライバーの方が運転技量がないことを自覚しており、それがクルマを運転することへの不安材料であることがうかがえます。
また、ペーパードライバーの最も苦手な運転技量は、駐車・車庫入れ、車線変更、高速道路への合流などであることが、ネット上を見ているとわかってきます。
さらに、JAFアンケート調査を見ていくと、
●Q:運転するならば、事故防止になるASV(先進安全自動車)※機能のある車に乗りたいと思いますか?
との問いには、約75%もの方が「ぜひ乗りたいと思う」「できれば乗りたいと思う」と回答しています。
現在、ASV(先進安全自動車)、つまり運転支援システムなどを搭載しているクルマはかなり進歩してきており、これらのクルマを運転することで、ペーパードライバーが苦手、下手と思っている運転技量を補うことが可能となってきています。
また、ASVはヒューマンエラーをカバーすることが可能で、交通事故に遭う確率を減らすことにも貢献しています。
例えば、スバルの運転支援システム「アイサイト」を搭載したクルマの1万台あたりの事故発生件数は61%減であったとされています。(対歩行者事故は49%減、対車両事故は62%減、追突事故は84%減)
引用:チューリッヒ保険会社
そこでこの記事では、ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システムにはどんなものがあるのかをできる限りご紹介していきたいと思います。
でも、運転支援システムや自動運転をまだ過信しちゃいけない!
その前に、運転支援システムを使う時の前提条件をお知らせしておきます。
前述のように、現在進行形で進化している運転支援システムによって交通事故の発生件数を減らしつつあることがわかってきましたが、それでも、運転支援システムは開発途上であり、万能ではないことを理解しておいてください。
人類はレベル5の完全自動運転を目指していますが、現在、運転支援システムが搭載された車は、上図のレベル2までに該当するクルマです。完全自動運転車ではなく、ドライバーによる監視が必要なクルマなので、過信しないようにしましょう。あくまでも「運転支援システム」なのです。
また、各自動車メーカーの運転支援システムには、正常に作動するための条件がそれぞれ設定されています。
例えば、スバルの衝突回避支援システム「プリクラッシュブレーキアシスト」では、背の低い子供、急に飛び出してくる自転車や動物、集団の歩行者などにはシステムが作動しない場合があります。
運転支援システムが発動する条件に当てはまらない場合があることを認識し、過信しないようにしましょう。
つまり、運転支援システムが搭載されているクルマでも、現状では、ドライバーがいつでも自分で運転できる用意がなければなりません。
そのためにも、基本の運転技量については練習して身につけておきましょう。いつでもファーストドライビングスクールがお手伝いします。
では、ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システムにはどんなものがあるのかを具体的にみていきましょう。
ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システムとは?
運転支援システムには、追従クルーズコントロール、レーンキープアシスト、衝突回避支援システム、車線変更支援システム、パーキングアシスト、標識認識機能などさまざまな機能があります。
また、完全自動にまで至らないもののハンズオフやアイズオフまで可能なシステムも新しく出てきています。これらの中にはカーナビ連動タイプもあります。
このような運転支援システムが自動車に装備されてきている現在ですが、この中で、ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システムはどんなものでしょうか。
①衝突回避支援システム、誤発進抑制制御機能
衝突回避支援システムとは、ある速度域において、センサーなどにより衝突回避や被害軽減してくれるシステムです。「プリクラッシュブレーキアシスト」などと言います。衝突の危険をセンサーなどが検知し、警告音や警告灯でドライバーに回避行動をうながしたり、回避行動ができなかったときはブレーキを作動させたりします。
主に、追突事故を減らすのに役立ちます。
また、誤発進抑制制御機能は、ブレーキを踏まなければいけない時に誤ってアクセルを踏んでしまった、いわゆるアクセルとブレーキの踏み間違い時(センサーが障害物を検知時)に、エンジンの出力を抑えて、警告音や警告灯でドライバーに回避行動をうながしたり、回避行動ができなかったときはブレーキを作動させたりします。
下の統計データ(HONDA出典)からは次のことが分かります。
●「デイリードライバーよりペーパードライバーと新人ドライバーに、アクセルとブレーキの踏み間違い経験が多い」
これは、運転技量が不足していると考えれば当然と言えますが、以下の若い層に多いことは意外です。
●「18歳から39歳までの若い層のドライバーに、アクセルとブレーキの踏み間違い経験が多い」
ニュースでは高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違い事故についてクローズアップされますが、若いドライバーも過信せずに注意して運転しなければなりません。
若い層のドライバーにはペーパードライバー、免許取り立てのドライバーなどが含まれています。なので、デイリードライバーつまり、いつも運転している人の中で若者が危険であるとの結論にはなりません。
しかし、少なくともアクセルとブレーキの踏み間違いによる交通事故を防ぐには、「衝突回避支援システム」がついたクルマが有効であり、必要であると言えます。ペーパードライバーに限ったことではなく、若者にとっても高齢者にとっても必要でしょう。
また、新しい衝突回避システムがついたクルマの方が技術的進歩がありより安心です。それは、コンビニなどのガラスを検知できたり、前進時だけでなく後退時も作動できるようになっているからです。クルマの購入を検討する時は「運転支援システム」をよく調べてみましょう。
②パーキングアシスト機能
パーキングアシストとは、文字通り、ペーパードライバーが苦手とする駐車を支援してくれる機能です。
車載カメラなどで駐車スペースを認識し、適切な位置に駐車することをアシストします。ハンドル操作をクルマが自動で行ってくれるので、周囲の安全確認とアクセルとブレーキ操作をドライバーが行います。中には駐車動作の全てを自動で行うシステムもあります。
この機能で、ペーパードライバーが苦手な駐車、車庫入れを克服することができますね。
現在、上位車種では車外からキーリモコンにより自動駐車が可能なものもあります。
下の統計データ(HONDA出典)からは次のことが分かります。
●「駐車場で細かく出し入れをしていた時」、ペーパードライバーに限らずクルマを運転している全てのドライバーが、アクセルとブレーキを踏み間違えた経験を多く持っている
上の統計データのような結果になるのもうなずけます。
周囲の歩行者などの安全確認をしながら、適切な位置にハンドル操作、アクセルとブレーキ操作を加減しながら駐車するのは高度な運転技術です。さらに、駐車を待つ後続車がいた場合は慌ててしまい、操作を誤ってしまう可能性もあります。さらにさらに、駐車場が狭い場合は、ペーパードライバーにとって苦痛そのものです。
MTの場合、クラッチ操作がともないますので、よりペダル操作全体に慣れが必要で、左足の操作感覚が運転技量を左右しています。
そんな時にパーキングアシストがあれば、適切な位置へのハンドル操作はクルマが支援してくれているので、少し余裕をもって駐車することが可能になり、交通事故を減らすことができるでしょう。間もなく「全自動で駐車ができるパーキングアシスト」が標準となってくるでしょう。
③追従クルーズコントロールシステム
追従クルーズコントロールシステムとは、ミリ波レーダーやカメラが前車を検知し、前車に追従して安全な車間距離を保ちながら、車速をコントロールするシステムです。ドライバーはアクセルワークをしなくても済みます。車線認識(レーンキープ)機能が共にあることが標準となってきており、ハンドル操作もしてくれます。
また、前車がブレーキをかけた場合は、警告を発してくれると同時に、ドライバーがブレーキ操作をしなかった場合、自動的にブレーキを作動させてくれます。
つまり、ハンズオフ(手放し運転)が可能な運転支援システムに繋がってきています。
この機能が有効な範囲は車種によって違いがあり、高速道路や自動車専用道路走行に限定、あるいは全車速に対応などさまざまです。一般道で使用する時、車線認識が不完全となる場合が多く出現します。高速道路でも、パーキングエリアの入り口など、突然レーンキープ機能が外れることがあります。やはり、自分で運転しているのと同様の運転操作に対する集中が必要です。
それでも、高速道路における追従クルーズコントロールシステムが装備された車は多くなっているので、ペーパードライバーにとっても高速道路走行は楽になるでしょう。
④車線変更支援機能
車線変更支援機能とは、ドライバーが方向指示器を作動させると、車線変更先の車線の後方接近車両を検知するセンサーを使って、ハンズオフ(手を離したまま)での車線変更を支援する機能です。(現在では、方向指示器まで自動で操作する車線変更支援機能も出ています)
この機能も、ペーパードライバーが苦手な車線変更を克服することを手助けしてくれるので、力強い味方であり、絶対必要な運転支援システムでしょう。
クルマの斜め後方には、バックミラーだけでは認識できない死角が存在し、慣れたドライバーでも車線変更時に突然クルマが現れて「ひやり」とした経験が、多くあるはずです。
このような事故を防ぐには、後方の車の動きは常にミラーで捉えている必要があり、また逆に前車の「死角」に入らないようにする事も必要です。
例えば、高速道路を走っていて、合流される車線にいる時には、前もって車間をとる必要があり、出来れば合流車線を走らないことです。
合流や車線変更する時には、どちらの車にも検知センサーがあれば、有効であるのは明らかです。
ペーパードライバーのうちは運転に慣れていないのに、車線変更するために目視確認をすると前方から視線をはずさなければならず怖いと思っていたり、そもそも短時間にどこをポイントに目視確認すればよいのかわかっていないこともあります。そのため、車線変更するタイミングをとるのに苦労しています。
後方の目視確認の際、もし前車がブレーキを踏むなどすると追突の危険も出てきます。
車線変更支援機能のついたクルマであれば、車線変更したい方に方向指示器を出せば、後方から接近するクルマをセンサーが検知した場合は警告を出し、いない場合はステアリングを制御して車線変更をアシストしてくれるので、ペーパードライバーは苦手な車線変更を安心して行うことが可能です。
⑤標識認識機能
標識認識機能とは、道路標識をカメラで認識してディスプレイに表示して、ドライバーに注意を促してくれる機能です。
「ペーパードライバーあるある30選」でもお伝えした通り、ペーパードライバーのうちは道路上にある多くの情報に目移りしてしまい、的確な情報を認識することが困難であるようです。
そんな場合、標識認識機能は「一時停止」「車両進入禁止」「最高速度」 「はみ出し通行禁止」などを認識してディスプレイに表示してくれます。ですから、一時停止の標識を見逃して出会い頭の衝突、または車両進入禁止の標識を見逃して逆行して衝突などの交通事故を防ぐのに役立ちます。
「道路標識の意味を忘れてしまった」というペーパードライバーもいるため、標識認識機能はペーパードライバーに絶対必要な運転支援システムといえるでしょう。
道路標識の設置に関しては、まだまだ問題のある個所も多く、例えば、細かい時間制限などは、表示がされていても読み切れないものです。標識認識支援機能はありがたいものです。
ペーパードライバーに絶対必要な運転支援システム、苦手克服が交通事故防止になる:まとめ
ペーパードライバーに必要な運転支援システムをいくつかピックアップしてお伝えしてみました。
レベル5の完全自動運転が出来る技術開発は、予想よりも時間がかかるようで、これらは「運転支援システム」と認識しておく必要があります。しかしながら運転が苦手、あるいは未熟なペーパードライバーにとって大きな手助けとなるはずで、積極的に運転支援システム装備のクルマを活用したいものです。
「運転支援システム」については、基本的に「軽自動車から高級車まで」同等の装備を自動車各社が目指しており、大きな差が出ないように工夫されています。しかし、こうした装置は日進月歩で進歩しており、車の買い替えが必要ないように、システムアップデートが出来る体制が必要です。
現在は、出来る限り最新の運転システムを使えるように努力すべきでしょうし、やはり運転の基本操作についてはドライバーの責任なので、しっかり身につけておきましょう。
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