ペーパードライバー卒業で福祉車両選び、高齢の親の送迎がきっかけ
「ペーパードライバーが福祉車両選び?」と聞いて驚いた方もいらっしゃるでしょう。
でも、65歳以上の人口が3割ほどという日本の高齢化社会は現実です。
介護の関係で、実家にUターンすることになり、車の運転をしなくてはならなくなりました。私はペーパードライバー歴30年弱(免許取得後の乗車経験無)かつ運動神経の悪い50代女性です。(実家は市ではありますが、車がないとスーパーなどへのちょっとした買物も、不便な環境です。)
引用:発言小町(読売新聞)の投稿質問より
できれば車をのりこなし、通院、買物、ゆくゆくは近隣への観光などもこなせるようになりたいです。
上記のように、それまでペーパードライバーだった方が、病院通いをしている高齢の親の送迎が必要となり、ペーパードライバーを卒業しなければならない、あるいは既にペーパードライバーを卒業したという話を小耳にはさむようになりました。
下図のアンケート結果のように、ペーパードライバーを卒業したきっかけの1位は、女性の場合「子供や親の送り迎えの機会ができたため」となっています。
それだけでも大変な事なのですが、同時に、車いすを利用する親のために福祉車両を中古で買って送迎をしなければならないので、福祉車両の選び方で悩んでいらっしゃる方もおられるようで、これから増えていくことも考えられます。
そんなペーパードライバーの方のために、今回は福祉車両の選び方をお話ししたいと思います。
目次
高齢の親の送迎が増えるのは何歳くらいから?
「じゃあ、高齢の親の送迎をしなければならないのは、だいたい親が何歳くらいからなんだろう?」と心配になった方もいらっしゃるでしょう。
では最初に、日本の「高齢化の状況」を内閣府の統計データを参考に見てみます。
出典:日頃の医療サービスの利用頻度(択一回答)(年齢別)【内閣府・高齢者の状況】
上記、内閣府のデータからは、
・医療サービスを「利用していない」人が60歳以降減り続けている
・医療サービスを「月に1回くらい」利用する人が60歳以降増え続けている
ことが分かります。
つまり、一般的には、高齢者になると年を取るごとに「月に一度くらい」は医療サービスを利用するようになります。
次に、「医療サービス利用時の移動手段」を、男女別に見てみます。
出典:日頃の医療サービスの利用頻度(択一回答)(年齢別)【内閣府・高齢者の状況】
「医療サービス利用時の移動手段」のグラフを見てみると、男女に関係なく、「自分で運転する自動車等」が全体的に多いことが分かり、やはりクルマやバイク、スクーターを自分で運転して病院に通うことが基本となっています。
健康であるうちは自分で運転して病院に通うことが多いようです。と同時に、「徒歩」で行ける距離に医療サービスを受けられる施設がないことも表しているかもしれません。
特に男性については、「80歳以上」になっても自分で車などを運転することが、他の移動手段よりダントツで多いことが分かります。
女性は、70歳くらいから急激に減り、75歳以上になると「徒歩」や「家族による送迎」が多くなっています。
「家族の送迎」だけに目を向けてみると、男性、女性ともに年齢とともに増えていきます。けれど、男性は他の移動手段に比べて比率は小さく、女性の方が「家族の送迎」に頼りやすく、年齢とともに増加し、「80歳以上」になると一番多くなっています。
(「徒歩」による移動手段も増えています)
高齢者になるほど「家族の送迎」が必要
このように、内閣府の統計データ「高齢者の状況」からは、「親の送迎が増えるのは何歳くらいから?」かは一概に言えませんが、高齢者になるほど「家族の送迎」が必要となる可能性がわかってきます。
つまり、それまでペーパードライバーだった方が、高齢の親の病院通いの送迎のためにペーパードライバーを卒業しなければならなくなるのも現実としてあり得るのが、高齢化社会なのです。
もちろん、それぞれの地域や家族の在り方によっても相違があるのは当然です。
大都会以外では、病院通いにクルマが必須!
さらに、高齢者の医療サービス利用時の移動手段について「都市規模別」にみてみましょう。
下図の統計データを見てみると、大都市以外の中都市、小都市、町村では、「自分で運転する自動車等(バイク、スクーター)」が医療サービスを受けるため、つまり病院通いのための移動手段としてクルマが必須であることが分かります。
これは、病院が自宅から遠く、おまけに病院までバスや電車などの公共交通機関が十分に整備されていないということも表しているでしょう。病院の送迎サービスもなかなか整備されていないこともあり、高齢者の免許返上も進まない理由であるかもしれません。
このため、高齢者が自分で運転できなくなった時は「家族による送迎」が必要となる場合もあり、グラフを見ても、都市規模が小さいほど多くなっていくのがわかります。
この記事の冒頭で、病院通いをしている高齢者の親の送迎が必要となり、ペーパードライバーを卒業しなければならない、あるいは既にペーパードライバーを卒業したという方がおられるというお話をしました。
その中には、そういった都市規模の小さな故郷の実家にUターンして、親御さんの病院通いの送迎を実現しようとされるペーパードライバーさんもいらっしゃるのです。
ペーパードライバーが親の送迎で利用する、福祉車両の選び方
ネット上でも、実家にUターンして車椅子を利用する親御さんのために、福祉車両を購入し、自分で運転して病院への送迎をしたいとかんがえていらっしゃるペーパードライバーの方を見かけました。
そこで、現在、同じことを考えているペーパードライバーの方、また、今は福祉車両を利用するほどではないけど、いずれそうなるかもしれないとお悩みのペーパードライバーの方に向けて、高齢の親の送迎で利用する福祉車両の選び方について、簡単にご紹介します。
参考にしていただければ幸いです。
福祉車両には、身体の不自由な人の介護や送迎に利用する介護車両と、身体が不自由な人が自分で運転する補助装置が付いている自操車があります。
この記事では、介護車両を福祉車両として扱います。
病院へ親を送迎する際に福祉車両を選ぶ際には、考慮すべき重要なポイントがあります。以下にいくつかの基準を挙げてみます。
1.車両サイズ
まず、ペーパードライバーが運転する福祉車両は車両サイズが重要です。
それは、ペーパードライバーの期間が長い人ほど運転に不慣れなため、いきなり大きなクルマを運転するのは避けた方が良いでしょう。
自宅はもちろん病院やスーパーなど出先の駐車場への車庫入れ、狭い道での対向車とのすれ違いなどがやりやすい、車両サイズが小さい福祉車両、つまり軽自動車やコンパクトカーがおすすめです。
2.安全性
次に、安全性が優先事項です。選ぼうとしている福祉車両が、最新の安全機能をできるだけ備えている方が安心です。
もちろん、車両重量が重い大型車のほうが軽い軽自動車と比較して衝突安全性は高いのですが、55km/h以上の高速走行をしない限り、軽自動車でも普通車とほぼ同等の衝突安全性があると見てよいのではないでしょうか。
例えば、
- 衝突回避システムは、もし親御さんに気をとられてブレーキを踏むのが遅れても、自動ブレーキが作動して衝突を回避、あるいは軽減してくれます。
- 誤発進抑制制御機能は、ブレーキを踏まなければいけない時に誤ってアクセルを踏んでしまった、いわゆるアクセルとブレーキの踏み間違い時(障害物あり)に、エンジンの出力を抑えて、警告音や警告灯でドライバーに回避行動をうながしたり、自動ブレーキを作動させてくれます。
- パーキングアシスト機能は、ペーパードライバーが苦手とする駐車を支援してくれる機能です。車載カメラなどで駐車スペースを認識し、適切な位置に駐車することをアシストして、障害物が近づいていることも教えてくれます。
- エアバッグは、万が一交通事故に遭った時に、最後の防衛手段として身体への衝撃を和らげてくれる装置です。フロントエアバッグ、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグなどがあります。
特に、軽自動車は横転しやすいとされています。サイドエアバッグ、カーテンエアバッグが装備された福祉車両を選ぶのが良いでしょう。
新しく市販される車ほど安全性に関する運転支援システムは向上していますが、コストを抑えて中古の福祉車両を購入する場合、少なくとも上記の機能がついていれば安心です。
3.アクセシビリティ
福祉車両を謳っている車両であれば、高齢者や身体障害を持つ人が容易に乗り降りできるように設計されているはずです。
例えば、
・車両の低床化
車両の床が低い位置に設計されていることで、車椅子や歩行器を使用する人が容易に乗車できるようになります。
・スロープやリフトの設置
福祉車両には車椅子や歩行器を使用する人が乗降するためのスロープやリフト、ステップなどが設置されていることが重要です。介助者や本人がストレスなく車内に出入りできます。
車いすに乗ったままスロープで乗降できるタイプ、助手席や後席が回転・あるいはリフトアップして乗降しやすくなっているタイプなどがあります。
出典:トヨタ・ヴォクシー公式サイト(サイドリフトアップチルトシート装着車)
・広い出入り口
乗降時の出入口にはスペースが十分あることが重要です。特に車椅子を使用する人や高齢者は、広い出入り口が必要とされます。特に軽自動車では、車両中央部の柱であるBピラーがなく、横からの出入りや、介助がしやすいタイプがお勧めです。
・手すりや支援装置
車内には手すりや支援装置が設置されていると、乗客が出入りする時など移動中につかまることで安定感を得られます。これは特に、歩行が困難な人やバランスを保ちにくい人にとって重要です。
これらの機能は、車いすを必要としない高齢者であっても、ケガを予防する効果があります。
高齢者を送迎する福祉車両を選ぶ時は、アクセシビリティでバリアフリーな車両であることを確認しましょう。
4.使いやすさ
高齢者を送迎するためには運転する人が使いやすいことも、福祉車両を選ぶ上で大切なことです。
運転操作のしやすさや視界の良さ、運転支援システムなどを考慮しましょう。
視界の良さは周囲(前方だけでなく左右や後方)の状況を見やすくして、交通事故を防ぐことができます。
運転支援システムは、特にパーキングアシスト機能やバックカメラがあると、安全で効率的に駐車が可能となります。
5.維持費用
車両の維持費用についても、長期になると負担になってくるので考慮に入れる必要があります。燃料費、車両保険代、車検費用、定期点検・メンテナンス費用などです。
燃料費は軽自動車が安いですが、ミニバンのトヨタ・シエンタやホンダ・フリードにはハイブリッド車もあり、ガソリン車より燃料費が安くなるでしょう。
燃費の良さやメンテナンスのしやすさなどをチェックしましょう。
また、車いすを車両に乗せるための昇降装置(リフトアップやスロープ)とその車いすを固定するために必要な装置を装備した車両は、本体価格の消費税の非課税となります。
その他、各自治体による減免や助成措置が準備されている場合があるので、調べてみましょう。
6.購入場所
福祉車両を購入する場合は、主に、自動車ディーラーや福祉車両販売専門店の2つがあります。
ただ、自動車ディーラーで新車を購入する場合は、購入代金も高く、納期に時間がかかることが多いです。
ですので、中古の福祉車両専門店で購入するのがおすすめです。
次の利点があります。
- 実車があるため、福祉装置、例えばご使用の車いすが入るかどうか、きちんと固定できるかどうかなどについて実際に見て確認できる
- 新車より納期が早くて、購入代金が安い
- 福祉車両取扱士が在籍している店舗であれば、福祉装置のことを詳しく聞いて相談することも可能。必要な装備について、追加で取り付けてもらうことが可能な店舗もある。
以上のような要素を考慮しながら、福祉車両を選ぶことが重要です。また、実際に購入する場合は複数の車両を比較検討することで、最適な選択ができるでしょう。
福祉車両といっても福祉にしか使用できない専用車ではなく、ベースは一般車と同様なので、普段使いにも遜色なく使用でき一石二鳥です。
ペーパードライバーの福祉車両選び、親の送迎が増えペーパードライバー卒業!:まとめ
今回は、高齢の親の送迎を考えているペーパードライバーさんに向けて、福祉車両の選び方をまとめてみました。
正直なところ、免許を一度とったことがあるとはいえ、ペーパードライバー歴が長く運転が不慣れな方が、すぐに親御さんの送迎をされることには懸念があります。
自分で福祉車両を運転しなくても、介護タクシーや病院の送迎がある場合には、そのサービスを利用する方が安全だろうと思います。
ただ、上述の統計データにも示したように、介護タクシーや病院の送迎などのサービスが整備されていない大都市以外の地域も多いのが現実です。
そんな場合は、まずはペーパードライバーを卒業してください。
いろいろ心配事は多いと思いますが、ペーパードライバーを卒業するために、ファーストドライビングスクールのペーパードライバー講習がお手伝いいたします。
ぜひ、一度お問い合わせください。
なにより、身体に気を付けて、運転に気を付けて頑張って下さい。
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